ハワイアン・ミュージック■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ハワイアン・ミュージック ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■ ◆◇◆◇ハワイのチャントと各国の音楽がブレンド◆◇◆◇ ハワイアン・ミュージックは一般に、19世紀半ばに誕生したものとされていま す。世界中から宣教師や砂糖きび畑労働者、カウボーイ(ハワイ語でパニオロ)らが ハワイに集まってきたのと同時に、先のブラギニアをはじめピアノやバイオリン、 ギターなど各国の楽器、音楽もハワイへ。それがハワイ古来の宗教的なチャント (詠唱)とブレンドされて、世にもユニークで爽やかな、ハワイアン・サウンドが誕 生しました。 こうしてハワイに新たに紹介された楽器の中でも、特にメキシコ人カウボーイが 持ち込んだギターに、ハワイの人々は興味を弾かれた様子。古来ポリネシアでは打 楽器が主体で弦楽器が珍しく、ハワイとマルケサスに単純な打楽器があるのみでし た(ハワイの弦楽器「ウケケ」は動物の毛を使った3弦の楽器で、ごく原始的なも のです)。当初は教えられるままスパニッシュ式のギター奏法を採用していたハワ イアンでしたが、やがてハワイ固有のチャントに合わせて弾けるよう、工夫が重ね られました。こうして誕生したのが、弦を緩めて(英語で「slack」)弾く、スラ ックギター奏法。その、まるでハワイのアロハ・スピリットを反映したかのような 美しい音色、リラックスしたリズムが人気を呼び、ハワイ独自の音楽として認識さ れるようになったわけです。 このハワイアン・ミュージックが世界的に知られるようになったのは、19世紀も 終わりに近づいた頃。ハワイ王朝最後の女王リリウオカラニの作った数々の曲がア メリカ本土で発表されたのが、一つのきっかけだったと言えます。ハワイアン・ ミュージック初の全米ヒットと言えば、女王作曲のあの「アロハ・オエ」。そして 1915年、パナマ運河の完成を祝いサンフランシスコで開かれた「パナマ太平洋万 国博覧会」が、その大ブームの起爆剤となりました。ハワイ館で連日行われたハワ イアン・ミュージックのパフォーマンスが大変な人気を集め、全米でハワイアン旋 風が巻き起こったのです。 その後もハワイアン・ミュージックは、アメリカン・ポップスやゴスペル、カン トリー&ウェスタン、そしてジャズや軽佻なオペラ、後年はレゲエの影響まで享受 し、現在のスタイルを築いてきたという次第。スラックギターやスティールギター、 ウクレレのユニークな音色、ハワイ伝統のチャントの音調を生かしたハワイアン・ ミュージックは今、音楽の一つのジャンルとして確立され、世界中の人々を魅了し 続けています。 ジャンル別一覧
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